覚悟はいいか!【完結しました】
「あ、美幸に連絡………」
スマホは資料室には持って入れない
どうしよう
でも、夜になれば誠さんが気付いてくれるはず
美幸だって可笑しいってわかってくれるはずだ
今は待つしかない
資料を読んだりしながら時間を潰していた
その時、ドンドンと扉を叩く音がした
「津川さん、いる?」
「あ、はい!!います!」
鍵が開く音がして扉が開いた
そこにいたのは、資料を探すように言った川原主任だった
「ごめんなさいね、私が頼んだから
あのあと、部長に呼ばれて行ってて戻っても津川さんの鞄があったから
良かった」
「あ、ありがとうございます」
「他のみんなにも見付かったこと連絡するわ」
そう言って川原主任は連絡をしてくれた
話ながら秘書室に一緒に戻った
探してくれてたの?
秘書室に戻ると他に3人待っていてくれた
「あ、牧瀬さん、山崎さん、高田さん………すみません」
「良かった」
みんなのホッとした顔に何故だかポロポロと涙が溢れていた
まさか、こんな風に探してくれるなんて
「ありがとうございます」
涙を拭いながらやっとの事でお礼を言った
"それは、ないかな?"なんて思っていた私を殴りたい
「怖かったよね、良かった
私たちも、津川さん見直した」
「え?」
「資料とかいっぱい頼んでごめんね」
「いえ、あれは………」
「ふふ、気付いてるでしょ?嫌がらせよ」
そんなはっきり言われると何故だか笑えた