覚悟はいいか!【完結しました】
「武内さん、さっきの女性はいいの?」
お酒も入っていつもなら聞くことないこともついつい聞いてしまう
課長で年上で上司だが、実は同期
同期だけど扱いは全く別
ヘッドハンティングされたとか聞いたこともあった
それでも、彼の柔和な雰囲気に同期の皆はお構い無しだ
だからか、つい以前の様に敬語も無くなってしまう
呼び方も"課長"から"武内さん"に自然に変わった
「あー、まぁな」
「最低ってどうして?」
クスクス笑いながら聞いていると、武内さんは真面目な顔で見てきた
ほんと、男性なのに羨ましい程に綺麗な顔
「お前、まだあの話有効なのか?」
「え?あの話?」
「俺が昔口説いただろ?
そのときに、社内恋愛なんてしないって」
「あー、面倒でしょ?
しかも、口説いたって武内さん本気じゃないでしょ?」
私が大学卒業して入社した22歳
武内さんは3つ上の25歳だった
初めて見たときはその整った容姿に驚いたっけ
もちろん、それは他の女性陣もそうで、あっという間に社内で抱かれたい男ランキングなんて物も女性の間で流行らせた
暫くして、確かに声を掛けられた
「津川、お前男いるのか?」と
その時は例にも漏れず美幸曰くヤり逃げされた後だったので、素直にいないことを言うと
武内さんは「俺と付き合わないか?」と聞いてきた
真面目な顔で言う姿に一瞬ほだされそうになるも
すでに武内さんの噂は耳にしていたし本気じゃないのもわかっていた