覚悟はいいか!【完結しました】
来るもの拒まず、去るもの追わず
常に武内さんの周りには女性の姿があったし
退社時に会社の前で待つ女性の姿も見たことがあった
それが武内さんの彼女かはわからないが明らかにいい女だったから間違いないのだと思う
それ以前に社内恋愛は考えられなかったので、
素直に「社内恋愛は考えてません」と伝えると
やっぱり、武内さんは軽く「だよなー」なんて言って立ち去った
本気なんかじゃないのはよくわかった
エッチすれば逃げられる私
社内でそんな事になれば私の変な性癖とか言われたり噂されるかも知れない
そんな事は勘弁したい
会社にもいれなくなるかも知れない
社内恋愛は考えてない
それはあれから3年経っても変わらない
「面倒?」
「別れたりしたら噂になったりするでしょ?」
「………別れないなら?」
「え?」
「別れない、それなら良いのか?」
「そんな事、わからないじゃない?」
「俺は、本気だよ」
本気?
嘘だ!
武内さんだって、エッチしたら………
「私だっていつも本気よ!
なのに、男はみんな私を抱いたら逃げるの!
好きだって、愛してるなんて言ってたくせに!
私がいつも、どんな思いで……」
こんな事、武内さんに言っても仕方ないのに
しかも、何を暴露してるのか
武内さんはそっと私の手を取った
その手は何故か震えていた
「俺は………」
武内さんは真っ直ぐ私を見て、一度目を閉じて綺麗な瞳を見せた
「女を抱けない」