覚悟はいいか!【完結しました】
怒りside隆也
部屋に入るなり、ドンッと壁に追い詰められた
「どういう事だ」
低い声は怒りしかない
温厚な充のこんな声は聞いたことがなかった
俺の胸ぐらを掴む充の手は震えていた
「優は?」
充は視線を動かした
視線の先には充の彼女がソファーに横になっている優の頭を撫でていた
「携帯見た途端意識無くした、限界だったんだろ
今は寝てる、たぶんずっと寝れてなかったのかもな」
充は「見ろ」と携帯と白い封筒を渡してきた
封筒の中身を確認して息が詰まった
なんだ、これ
きっと優はすべてを見る前に意識を無くしたのだろうか
携帯のメッセージ未読の数に驚いた
メッセージの中身は「消えろ」
ただ、それだけだった
それだけが幾つも………
見れるはずない
「隆也くん!どうして?酷いよ!こんなの、酷い!
一緒に住んでいる人がいるんでしょ?
その人は何してるの!
出張って、どうして?こんな時に………」
充の彼女である莉奈ちゃんが涙を流し怒りに身体を震えさせている
俺だって
優がこんなことになってるの知らなかった
ソファーに横たわっている優の顔色は悪くて、俺たちの知ってる優じゃないみたいだった