覚悟はいいか!【完結しました】
「彼氏は出張だって?」
「なんか、1ヶ月長崎に出張らしい
明後日帰ってくるはずだけど」
「明後日か………
今日送られてきたのがこれだろ
彼氏がもうすぐ帰ってくるから追い込んだのか
たぶんこれを見て家を出てきたんだろ
お前に連絡するのも嫌がってた
迷惑かかるってずっと言ってたから」
"あんたを守る奴等も許さない"とパソコンで打ってあった
優の優しさを利用されたんだな
優が友達思いなのを知っている
「俺があの時会わなかったらどうなってたか」
「充がいてくれて良かったよ………優、連れて帰るわ」
「大丈夫なのか?」
「美幸にこのまま、なにも言わない方が怖い
美幸は俺が守るから、お前は莉奈ちゃんのことしっかりな
莉奈ちゃん、変な事に巻き込んでごめんな」
「優さん、大丈夫ですよね?」
心配そうに聞いてくる莉奈ちゃんに「すぐ解決させる」と伝えた
あの時、男三人で優なら大丈夫だろ、なんて話していた自分を殴ってやりたい
優とは一番付き合いが長いのに
この封筒の量が全部かどうかはわからないが、優はずっと一人で怯えてたんだ
誰にも言えず
美幸にですら言えなかったんだ
直接何か危害もない
ただ、写真と手紙だけ
じわじわ追い詰めて
そして、今日"許せない"と使ったのだろう
優を車に乗せて自分の不甲斐なさを実感する
俺たちはいつも優に守られているんだ
だから、今回は「優、絶対終わらせてやるからな」
後ろで眠る優にそう呟いた