覚悟はいいか!【完結しました】





「え?優?どうしたの?
充のとこじゃなかったの?」


美幸は優を連れて帰ってきた俺に驚いていた
充から連絡が来たとき「充が彼女と喧嘩してへこんでるから」と家を出たから


俺は事の経緯を話した

封筒と携帯を確認すると美幸は泣き崩れた
優に抱きつきながら「バカ!バカ」と言いながら何度も謝っていた

美幸は急に優の携帯を操作して電話を掛けはじめた



「おい、誰に………」

「もしもし、私、津川優の友人の佐々井美幸といいます
浜口社長ですよね?
優の事で話があります
会えませんか?」


美幸はマンションと部屋番を伝えて電話を切った


「すぐ、来るって
なんとなく分かってる感じだったよ」

「そうか………優の会社の社長だよな?
誠さんには?」

「たぶん、これ誠さん絡みだよ
誠さんと社長は友人らしいから社長に先に聞こう」


優を見るが起きる気配はない
美幸は心配そうに優の頭を優しく撫でている

その姿が莉奈ちゃんの姿とかぶる


優は昔から本当に人を惹き付ける
嫌われる事なんてないはずだ
初対面だろう莉奈ちゃんでさえも真剣に心配していた
だから、秘書課に変わってやっかみがあっても優なら大丈夫だなんて思っていたんだ



社長はすぐにやってきた
あまりに若くイケメンで驚いた

俺たちが挨拶すると「いやー、優ちゃんの友達もレベル高いね」なんてふざけた事を言いながらも目は笑っていない




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