覚悟はいいか!【完結しました】
封筒と携帯を渡して確認すると、「くそっ」と悔しそうに整った顔を顰ている
「誰か心当たりはありますか?
これ、誠さんの事ですよね?」
「そうだろうね、社長秘書って言う立場に対してなら少し行き過ぎだ
もし、そうなら"こんな女やめろ"と俺にも送ってくるだろ
誠のことを好きな女だろうな
そして、優ちゃんの事を少なからず知ってるな」
「え?優の知り合いって事ですか?」
「優ちゃんの性格も利用してるだろ
友達を大事にして、大事にされてる
だから、こんな内容のことも…………
ただ、誰かはわからないな、誠の女関係だとしたら昔の女か?」
ソファーに寝ている優が少し声を出した
美幸が「優、優」と呼び掛けると「美幸?」と言うと美幸がまた、泣いた
優が目を覚ましながら俺と目があって、そのあと驚きにガバッと起き上がった
「しゃ、社長?」
「優ちゃん、気付いてあげれなくてごめんね」
そう社長が頭を撫でると優は顔を覆って泣き崩れた
「落ち着いたら話をして
優ちゃんと関係してる人にはちゃんと信頼できるタクシー会社での送り迎えを徹底させるから安心して
それでも不安ならセキュリティのしっかりしたホテルも手配するよ」
社長はポンと優しく頭を撫でた
その瞳には怒りが滲んでいた