覚悟はいいか!【完結しました】


「慶太!」

「誠!良かった…………」


慶太は安心したように顔を綻ばせた
一人で心細かったのだろう


「優は?」

「まだ、手術中
さっき看護師が慌ただしく動いていたから何かあったのかもしれない」


慶太は震える手を隠すように顔を覆った


「優ちゃん、真っ青で返事しなくて…………」

「ありがとうな、両親には?」


慶太の震える手にそっと自分の手を乗せた
お互いの震えが伝わる

俺もさっきまではずっと震えていたから
やっと、優の側にいる事実が少しだけ俺を落ち着かせた


「優ちゃんの携帯から掛けててさっきやっと連絡ついた
両親二人で北海道に行ってるみたいですぐに向かうって言ってたけど時間かかると思う
飛行機のチケットはとった
美幸ちゃんと隆也くんにも連絡したけど出なかったからメッセージ入れたけど既読になってないから見てないんだと思う」

「そっか、慶太が居てくれて良かったよ
ほんと、ありがとうな
お前、美幸ちゃんと隆也知ってるのか?」

「あぁ、お前が帰ってきたら話すつもりだった事がある
向こうで話そう」


慶太は美幸ちゃんと隆也を知っているようだった
俺の言葉に顔を強ばらせた

手術中の待合室があった
殆ど手術室の前で待つことが多くあまり使われないらしく誰もいなかった


「ここならちゃんと、呼びに来てくれるから」

「あぁ、」


慶太はコーヒーを買って渡してきた
コーヒーの香に緊張が解れてくる
慶太が少しずつ話をし始めた


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