略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
それでも、俺は、早速、仕事の引き継ぎをしてもらおうと伊藤に話し掛ける。

「伊藤。」

「……… 」

無視?

「伊藤!」

「……… 」

「伊藤!!」

「え? な、何?」

驚いた反応。

なんだ。
あえて無視してた訳じゃないんだ。

よかった。


「相変わらず、ぼけっとしてんなぁ。
今、やってる仕事、説明しろ。」

「は?」

「は?じゃねぇよ。仕事!
ダイヤ建築のシステム開発やってんだろ?
設計の詳細と進捗状況の説明。」

「ああ!」

何があった?
こいつは、何にでも一生懸命で、仕事中にボーッとするタイプじゃない。

彼氏との事か?

俺は疑問に思いながらも、仕事に集中して、午前中を過ごした。
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