略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
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昼になった。

伊藤はさっさと財布を持って食事に行こうとする。

だから俺は、

「飯、行くぞ。」

と伊藤を誘った。

伊藤のらしくない態度の原因を知りたかった。
一緒に仕事をする以上、このギスギスした関係も改善したかった。

「は?」

だけど、伊藤は、訳が分からないといった顔で、俺を見上げる。

「飯! 食うだろ?」

「食べるけど、なんで私があんたと食べなきゃ
いけないのよ。」

「あれ? お前、俺のお世話係じゃなかった?」

「ランチなんてお世話しなくても食べられる
でしょ!?」

「じゃ、親睦会。ほら、行くぞ。」

俺は、伊藤の手首を掴んで、無理矢理連れ出した。

こいつの言う事を聞いていたら、きっと永遠に俺を拒絶し続けるに決まってる。
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