略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
しばらくして、ようやく結を解放した宮本さんは、

「結、もう帰れる?」

と聞いた。結が

「うん。」

と答えると、

「お邪魔しましたー。」

と結の手を握って歩き出す。

結は慌てて、

「お先に失礼します。」

と挨拶をして、帰っていった。

目の前で結が他の男に連れ出されていくのに、俺は何もできないのか?

結が、好きでもない男にいいようにされてるのに、俺は結を救えないのか?

俺は、なんて不甲斐ない男なんだ。
< 110 / 212 >

この作品をシェア

pagetop