略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
それから、毎週、結のために使っていた週末を俺は家に引きこもって過ごした。

バスケに行っても、テニスに行っても、どこへ行っても結を思い出す気がして、どこへも行けなかった。

ひとり、部屋で結を思い出す方が、周りを気にしなくて済む。

どうすればいいのか、どれだけ考えても、いい考えは浮かばなかった。

いっそ、俺が身を引いた方が、結は幸せになれるのか?

だけど、俺は結を諦められそうにない。

悶々と結を思って週末が過ぎていく。
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