略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
「まあ、それなりには。」

『俺が構ってやれない間、結を動物園や
水族館に連れてってくれたのも君でしょ?』

はぁ!?
なんで、それを?

結が言ったのか?

………いや、結が言うはずない。
そんな波風立てるような事、する奴じゃない。

鎌かけてるのか?

「いえ、人違いじゃ、ありませんか?」

『そうか。
同期って言ってたから、てっきり君だと
思ってた。』

「女の同期じゃありませんか?」

『ああ、そうかもしれないね。
まあ、2、3年して、俺が本社に戻るのに
合わせて復職すると思うから、また、仲良く
してやってよ。』

「………はい。
失礼します。」

俺は電話を切って、考えた。

あの人は、どこまで気付いてるんだろう。

俺たちの関係に気付いてて、それでも結と結婚するのか。
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