略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
「結、電車は? どっち方面?」

「天と一緒。」

俺たちは、手を繋いだまま電車に乗った。

「送るよ。何駅?」

と俺は聞いたが、

「いいよ。」

と拒否されてしまった。

「なんで?
そんなに住んでるとこ、知られたくないのか?」

「そんな事言ってないじゃん。」

「じゃあ、送る。」

「……… ご自由にどうぞ。」




俺の最寄駅。
結は俺と手を繋いだまま電車を降りた。

「え? ここ?」

って事は、うちから徒歩圏内?

結はすたすたと歩き、改札を抜ける。

改札を抜けた所で、結が手を差し出してくれたから、俺はまた結の手を握った。
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