略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
結は深く長く頭を下げた。

「終わった事はもういいから、気にするな。
安達課長、乾杯の音頭をお願いします。」

と小山係長。

「安達班の永遠のアイドルの復帰を祝って、
また、復帰後30分で掻っ攫った不届き者を
恨んで、乾杯!!」

「ぷっ」
「くくっ」
「乾杯!」

全員が笑いに包まれて乾杯した。

何とでも言え。
俺は結を手に入れるためなら、誰に何と言われても構わないんだから。

俺が浜井とおとなしく飲んでいると、しばらくして春山さんが呼んだ。

「小川!」

「はい?」

春山さんは、手を上に挙げている。

「最初はグー、じゃんけんポン!」

慌てて俺は、咄嗟にグーを出す。

春山さんは、チョキだった。

「勝ったから、伊藤の横、座らせてやるよ。」

マジ!? やったぁ!!

俺は、ご機嫌で結の隣に移動する。
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