略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
1時間後、俺たちは小さなチャペルの前にいた。

そこは、決して広くはないけれど、石畳みの周りに、大きな木と綺麗な花が咲き乱れる庭があり、心癒される空気が漂っている。

大きな扉を開けて中に入ると、それ程広くはないが、高い天井の厳かな空間が広がっていた。

落ち着いたベージュの壁と天井。

バージンロードの左右には、ダークブラウンの木目が綺麗なベンチが並び、正面には落ち着いた色合いのステンドグラス。

右前方には、パイプオルガン。



「どう?」

俺は結の顔を覗き込む。

気に入ってくれるかな?

「すごく素敵。これ、どういう事?」

ほっ
良かった。

「バスケチームの仲間の彼女が、ブライダル
プランナーをやってるんだ。
だから、出来るだけ早く結婚式ができる所を
探してもらった。
いくつか候補をもらったんだけど、俺は、
結ならここかな?と思って。」
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