略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』

「うん、ここは気に入ったけど、なんで
そんなに急ぐの?」

「そんなの待ち切れないからに決まってる
じゃん。
俺は24時間365日一緒にいたいんだ。
だから、結、ここで俺と結婚しよ?」

「ムリ。」

「は? なんで!?」

「よく考えてよ。あと1ヶ月ちょっとしか
ないんだよ!?
今から、招待状出して、衣装決めて、
引き出物決めて、音楽決めて、やる事
いっぱいだよ!?
しかも納期の2日前って、現実的に無理
でしょ!?」

「お前、俺の仕事、舐めんなよ?
お前が抱えてる分以外は、ほぼテストまで
終わらせてる。
今のところ、不具合もない。
招待状だって、結の分は1年前に招待客の
リストアップは終わってるだろ。
出欠確認だけなら、明日にでも終わる。
発送は年賀状の宛名を使って印刷すれば
すぐできるよ。」

「え? 手書きしないの?」

「お前、自分に来た招待状が手書きだったか
どうかなんて、気にした事あるか?」

「………ない。」

「じゃ、印刷で十分!」
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