略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
「衣装は?」

「この後、見に行く。」

「は?」

「この後、プランナーさんと待ち合わせてる
から、必要な説明はしてくれるさ。」

「本気で言ってる?」

「冗談でこんな事言うわけないだろ。」

「だよね。」

はぁ………
結のため息が聞こえる。

やっぱり、焦りすぎ?

だけど、どうしても俺はこの日に結婚したいんだ。

「でも、そんなに慌てなくても…
せめて、あと1〜2ヶ月くらい先でもいいん
じゃない?
何かこだわる理由があるの?」

「……… こだわったら、ダメか?」

「ダメじゃないけど、どうしたの?
いつもの天らしくないよ?
何かあった?」

「……… 一年前。」

「私たちが離れた日って事?」

結が訳が分からないという顔をしている。

「なに? 天らしくないよ?
はっきり言ってよ。」

「……… 結が他の男にプロポーズされるのを
目の前で見ながら、指を咥えて黙ってる事しか
できなかった日。
だから、もう絶対、結を離さないっていう
誓いをこの日にしたい。」

もう、あんな思いはしたくないから。
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