略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
俺は、動物園近くの駐車場に車を止めると、結の手を握って、歩き出した。

「ちょ、何、この手?」

「迷子防止。」

「は?」

「お前、小さいから、人混みで逸れたら
見つけられないだろ?」

…な訳ねぇだろ。

だけど、少し怪訝そうな顔はしたものの、結は素直に俺に手を繋がれて、歩いた。

小さな結の手が、今、俺の手の中にある。


俺たちは、春の麗らかな陽気の中、仲良く1日を過ごした。


そして夕方、俺は結を家まで送り届けて、初デートを終えた。



うん。

やっぱり、俺、結が好きだ。
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