略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
俺たちは、机の上を簡単に片付けて、自席でラーメンをすする。
「うまっ」
俺が言うと、
「でしょ!?
ってか、天、前の部署の時は、晩ご飯
どうしてたの?」
と聞かれた。
「ひたすら我慢!
たまに、昼におにぎりとか買っておいて、夜
食べる人もいたけど、こんな毎日がっつり
晩飯食べるの久しぶりかも。」
「ふふっ
食生活、充実して良かったね。」
「ああ。
それもこれも、伊藤ががっついてるお陰だな。」
俺は、微笑む結がかわいくて、ついつい意地悪してしまう。
「はぁ!?
何よ、失礼な!!
明日から、天の分、注文してあげないからね!!」
「うわっ
ごめん、ごめん。」
俺は手を合わせて謝る。
くくっ
怒って膨れてもかわいく見えるなんて、俺はどんだけ結が好きなんだ。
すると、
くくくっ
とあらぬ方向から笑い声が聞こえた。