略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
「は?
俺は喧嘩なんか売ってねぇし。
いつも突っかかってくんのは、お前だろ?」

「違うし。
もういい。キリがない。」

「だな。」

くくっ
喧嘩してるのに、結が笑ってる。
ちょっとは心許してくれたのか?


そんな風に仲良く喧嘩してるうちに動物園に着いた。

俺は、当然のように、結と手を繋いだ。

「私だって、いい年した大人だよ?
迷子になんかならないよ。」

結が、俺を見上げて主張する。

「じゃあ、迷子になったら、アナウンス
するぞ?
『迷子のお呼び出しをします。
東京都からお越しの伊藤結様と
おっしゃいます身長148㎝、28歳の女の子を
お連れ様がお待ちです』って。」

「は!? なんで、身長や年齢を言う必要が
あるのよ。
っていうか、なんで天が、私の身長を
知ってるのよ。」

「昔、同期会で発表してたじゃん。
俺、記憶力いいから、そういうの、
覚えてるの。」

っていうか、お前の事だから、覚えてるんだ。
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