略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
だから、そのまま右腕に乗せて、子供のように縦抱きにしてやった。

結は、俺の首に腕を回して掴まる。

結が俺の手の中にいる。

すると、結が楽しそうな声を上げた。

「すっごーい!! こんなに遠くまで見えるの!?
っじゃなくて、早く下ろしてよ!!」

一瞬で我に返った結は、足をバタバタさせて暴れる。

「いてっ! 痛いって! 蹴るなよ、お前。」

俺は諦めて結を下ろした。

「私がいくら小さくても、それなりに重いん
だから、腰とか痛めても知らないよ?」

くくっ

「そんなヤワな鍛え方してねぇよ。
俺、ベンチプレスなら100㎏上げられるぞ?
お前、40ないだろ!?」

小さな結は、大人とは思えないほど、軽かった。
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