略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
「いいよ。
いつもみんな彼女とか友達とか連れて来る
から、俺も知らない奴いっぱいいるし。」
元々、お前を誘うためのテニスだし。
「迷惑じゃないなら、行きたい。」
「じゃ、決まり。
明後日、10時に迎えに行くよ。」
「うん、ありが…」
「おいおい、小川、みんないる前で彼氏持ちを
ナンパとは度胸あるなぁ」
は!?
春山さん!?
なんて、余計な事を…
「違いますよ!
変な邪推はやめてくださいよ。」
俺は一応、否定した。
それにしても、春山さんって、よく人を見てるな。
図星すぎて、焦る。
「そうですよー。
天はただの同期で友人です!
春山さん、ある事ない事、海翔に言わないで
くださいね。
やっと1ヶ月ぶりに会えるのに、これで喧嘩
して揉めたら、春山さんのせいですからね!」
………凹むなぁ。
そんなに友人を強調しなくても…
彼氏大好きアピールもやめてくれ。
「そうだなぁ。
もし伊藤に振られたら、宮本は一生独身
だろうしなぁ。
宮本のために黙っててやるか。」
ああ。
俺が掻っ攫うまで、余計な事を言って警戒させないでくれ。