略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
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手早く着替えた俺がコートで待ってると、結が不安そうにキョロキョロして出てきた。

「結!」

俺が声を掛けると、少しホッとした顔で、

「大勢なんだね。」

と言った。
全部で15人程集まってる。

「だろ? 俺も知らない奴がいっぱいいるよ。」

俺は笑った。

「来いよ。紹介してやる。」

俺はそう言って、結の手を引くと、みんなの所へ連れて行った。

「紹介するよ。
伊藤結。
俺の会社の同期で同僚で、俺の…」

俺は結の顔を見た。
ここで「俺の好きな奴」って言ったら、結はどうするだろう。

「彼女だろ?」

同級生の寛人(ひろと)がニヤニヤしながら言った。

結が慌ててブンブンと首を振る。

俺はニヤッと笑って、

「部下。」

と言ってやった。

「は!? 何それ!? ムカつくー!!」

結が怒る。

「事実じゃん。」

俺は笑うが、

「事実でも、言わなくていいじゃん。
なんで、同期とか同僚で止めないかな?
性格悪すぎ。」

結は余計にむくれる。
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