略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
それを見て、みんなが笑う。

それに気づいた結はうなだれた。

だから俺は、

「ま、仲良くしてやって。」

と、結の頭をポンポンと撫でた。

「それにしても、すごい身長差だな。」

今度は陸(りく)が言った。

「あ、本人気にしてるから、
あまり言わないでやって。
今日、こいつのプロフィールは、伊藤結、
28歳、身長160㎝だから、よろしく。」

俺がそう言うと、結は顔を上げて、

「ちょっと、それ、返って傷つくんだけど!!
そもそも、天が大き過ぎるのが悪いんでしょ?
ちょっとは縮みなさいよ!」

と言い返してきた。

「無理だろ!?」

「じゃあ、10㎝分けなさいよ。」

「それはもっと、無理だろ!!」

そんな風に俺たちがいつも通り言い合っていると、今度は竜也(たつや)が言った。

「なぁ、お前ら、ほんとに付き合ってないの?
どう見ても痴話喧嘩にしか見えないんだけど。」
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