略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』

俺は結と顔を見合わせると、溜め息をひとつ吐いて、

「こいつ、他に彼氏いるから。」

と言った。

それから、適当に分かれて、テニスをした。

俺は結とシングル戦。

「ハンデいるか?」

と確認すると、逆に

「いらない。天、ハンデあげようか?」

と言われた。

「いるわけねぇだろ。」




ところが、結果は、結の圧勝。


「ふっふっふ。
だから、ハンデあげるって言ったのに。」

楽しそうに微笑んだ結が、自販機で買ったスポーツドリンクを渡しながら言った。

「なんで、そんなに強いんだよ。」

まさか、負けるとは思ってなかった。
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