略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
その後、俺は、またステージに飛び乗る。

「あ、ありがと。」

結はお礼を言うと、弁当を出した。

「どうぞ。」

やった!

「ありがと。」

俺は弁当を受け取り、蓋を開けた。

「ブッ!
くくくっ
おま、いや、くくくっ
これ、時間掛かったろ?」

すげぇ!!
想像のかなり上をきた。

「まあね。
この瞬間の天を見るために、今日の私は
存在すると言っても、過言ではないよ。」

それって…
俺を思って、弁当を作ってくれたってこと?
今日の結は俺のために存在するって言ってる?

俺、期待していいのか?

「これ、食べる前に、写真撮っていい?」

「いいよ。」

俺は、スマホを取り出し、弁当の写真を撮った。

すると、

「ついでに、こっちも撮る?」

と結は自分の分の弁当も差し出した。

「プッ! くくくっ
お前、すげー!!」

たかが弁当にどれだけの時間と手間を掛けてくれたんだ?
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