略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
俺は、ステージを飛び降りて、2つのお弁当を並べると、改めて写真を撮った。

そして、

「ちょっと、みんなに自慢してくる。」

俺は、弁当を持って、他のメンバーの所へ走って行った。

ところが、

「ちょっと、天!
恥ずかしいでしょ!?
待ちなさいよ。」

結は慌ててステージを飛び降りて、追いかけてきた。

俺が振り返ると、結のフレアスカートが風をはらんで、ふわりと膨らんでいた。

「結、走るな!
スカートがめくれる!」

結は、ピタリと止まった。


俺は、その隙にみんなに弁当を見せる。

「わぁ、すごーい! かわいい!!」

チームメイトの彼女たちからそんな声が上がると、

「ちょっと、天、やめなさい!
それ以上、見せびらかしたら、もう
食べさせないわよ!」

と、結が叫んだ。

「えぇ!? それは困る〜」

せっかく結が作ってくれた弁当だ。

仲良く美味しく食べたい。

俺は、素直に結の言う事に従って、そのまま結の所へ戻った。


すると、隼人(はやと)が叫んだ。

「天! すっかり尻に敷かれてんな。」

その直後、みんなが笑う。

「うるせー! 余計な事、言うな!」

俺も叫び返した。
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