略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
「実は、高2まで、プロを目指してた。」

「そうなの!?
なんで、やめちゃったの?」

「膝を壊して。
もともとバスケ選手は、膝 壊す人、
多いんだけどさ。
全日本のU17のスカウトが来て、内定貰った
直後でさ。
内定、取り消されて、試合にも出られなく
なって、諦めた。」

「………それは、悔しかったでしょ?」

「まあね。
でも、今、思えば、それでも諦めずに
頑張る奴だけが、上に行けるわけでさ。
けがのないバスケ選手なんて、いないん
だから、諦めた俺の精神力が弱かったん
だよ。」

「今は、もう膝、大丈夫なの?」

「ああ。
日常生活には支障はないし、趣味で
バスケやるくらいなら、大丈夫。」

「じゃあ、良かった。
不幸中の幸いだね。」


結、ちょっとは俺を好きになってくれた?

俺、少しは期待してもいいのか?

「あのさ、この前、スキー好きって言ってた
じゃん?
良かったら、明日、明後日、春スキー
行かないか?」
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