学生二枚
 そこに居たのは地獄絵図に出てきそうな顔をした先生だった。

「何を見ている。」

「いや、ちょっと外を…。」

「だろうの。こんなおじさんの顔を眺めているよりも、外の若くてピチピチした女子の体操服姿を見た方が目には良いかもしれんの。」

 そう言われた途端にクラス中がけたたましい笑い声で埋め尽くされた。

 僕の顔は見事に赤色に染めあがった。

「じゃあ、授業の続きを始める。」

 そのかけ声でまたクラスは元の落ち着きを取り戻した。

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