学生二枚
 今日の昼に見た時同様に彼女は僕に背を向けて川の方を見ていた。

 僕は小走りに彼女に近寄って行った。

 土手の坂道を下ると急に体が硬直して動かなくなった。

 彼女に僕はさっきの意気よいはなくなって、彼女に近づくたびに一歩一歩の歩幅がとても狭くなっていった。

 でも、そんなちっぽけな勇気のおかげで僕は彼女近くまで来た。

 そして、ちっぽけな勇気を振り絞って声をかけてみた。

「あっ、あの。」
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