学生二枚
 僕は今見ず知らずの人に声をかけている。

 しかしと言うべきか、やっぱりと言うべきか、彼女の耳には僕の声は届いていなかった。

 僕の最大の勇気を振り絞っても無理だった。

 その後どれくらい彼女の後ろ姿を眺めていたことだろう。
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