学生二枚
 時計の針はもう10時を回っていた。しかも、今日は確か水曜日…。

「光三、今日学校は?」

「う~ん…。普通の高校生だったらあるよ。」

 あぁ、普通の高校生だったらね。

 一瞬納得した自分が馬鹿だった。

「って、何してんだお前も普通の高校生だろ。早く学校行って来いよ。」

 光三を一喝したら観念したのかトボトボ帰って行った。

 光三の肩が落ちた後ろ姿が小さいはずなのに、いつもより大きく見えた。
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