かんしゃ の きもち

 掌で彼女の稜線を下から上へたどると、行きついた先は大きく脈打っていた。その先端はブラウスの上からでも容易に解るくらい、痛々しいほど凝っている。

 掌で握るように包むと、彼女の息が少し乱れた。
 
 ブラウスのボタンをデタラメに外して、その中へと潜り込む。直に触れる肌が吸い付くように手になじむ。

 ……いっその事。このまま、くっついてくれないかな。

 息を上げる彼女を後目に、そんな阿呆なことを考えていたら、もう一つ、阿呆な事を思いついた。

 ブラウスから手を引き抜くと、そのまま眼鏡のテンプルに手をかけた。彼女の戸惑うような様子に、やっぱり苛つく。

 眼鏡を徐に外すと、片方だけテンプルを倒す。

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