かんしゃ の きもち
『散ル』という女を内包した美知留という女性は、紛れもなく俺の女(もの)だ。
もう間島なんかじゃない、清住。そう、清住美知留だ。
柔らかな谷間からテンプルを真横にずらす。
一瞬、幼い頃の砂場遊びを思い出した。
玩具のブルドーザーで、誰かが作った砂のケーキやプリンを容赦なく均す遊びだ。
砂のお菓子たちをめがけてブルドーザーを走らせると、車体の先端についたブレードがあっけなくそれらを壊していく。元ケーキだったそれはただの小山に成り下がり、元プリンだった砂粒は小山になるまでもなく左右に分かれていくのが愉快で、つい夢中になる。
それで大泣きする子がいようが、それを大人が嗜めようが、一切無視だ。子ども特有の無邪気な残酷さで、ただ、俺がそうしたいからと、何も考えず傍若無人に。
「ぁあっ!」
彼女の嬌声で我に返った。