かんしゃ の きもち
目の前の彼女の柔肌は、容赦なく食い込んだテンプルで痛々しくなっていて、しかも、先端のモダンの鎌首が、的確に凝った先端を押しつぶすように嬲っている。
「チルさんっ、ごめんね」
慌てて、汚物よろしく眼鏡を即座に放る。
暗がりに吸い込まれたそれは、部屋の隅でぽたっがさっと音を立てた。
彼女の胸元を気持ちだけ整えてそのまま抱き起すと、すぐ傍で紙がかさりと音をたてて舞った。
にわかに俺の背中に冷や汗が流れる。しまった、いくら何でもこれはやりすぎだろ。俺は、彼女がチルの時は、何があっても彼女を甘やかして、可愛がって、それで。
「……ふふっ」
微かに闇を震わせるような笑い声がした。
「え、なに? どうしたの」
間抜けな俺の問い掛けに、なおも彼女が喉を震わせる。