私のクマさん
私、蜂谷 満江(はちやみつえ)が、
彼と出会ったのは高校生の頃。
私が3年生の時に入学してきたのが玖馬。
つまり、
2つ下の後輩だった。
高校時代はほとんど接点がなくて、
文化祭の時期に
玖馬から声をかけられたのがキッカケで
少しだけ喋ったことがある程度だった。
声をかけられたといっても
告白だとかナンパだとか
そういう色気のあるものじゃない。
ガムテープを探していた玖馬の前に
たまたまガムテープを持った私が通りかかって
「それ、ちょっとだけ貸してくれませんか?」
と声をかけられただけ。
うちの高校は
学年ごとに上履きの色が違うから
すぐに1年生だってわかって、
特に断る理由もないし
上級生に声かけるくらいだから
相当焦ってるのかなー?
ぐらいの感覚で貸したガムテープ。
うちのクラスはもう使わない予定だったから
「それ、全部あげるよー」
と残して私はその場を立ち去った。