私のクマさん
「お風呂でたよー?ドラマ終わった?」
「おかえりー。これいつものどーぞ!」
そう言って差し出してくれるのは
いつものレモン水。
お風呂上がる音が聞こえて
きっと準備してくれたんだろう。
「ドラマは終わったんだけどね、
その後に始まったバライティも面白くて
今見てるの」
「バライティなら後で録画見ればよくない?
お風呂はいっちゃいなー」
「んー。…それもそうかぁ。そーするー!」
そう言ってまた
トタトタとお風呂場に向かった玖馬。
相変わらず身長の割に足音が軽い。
※※※※
「みつー!」
しばらくして、
ちょっとこもった声が聞こえた。
きっとお風呂場から。
「なにー?」
脱衣所に向かうと、
お風呂場からちょこっとだけ顔を出して
体を隠している玖馬。
磨りガラスのドアだから
うっすら影が見えてて、
隠れている意味は特にないけど。
きっと本人は気づいていない。
「みつ、もう寝る?まだ起きてる?」
「んー、くまが出るまで待ってるよ?」
「そっか!ならいいー!」
そう言って
ガラッと閉められたお風呂場のトビラ。
え、なにそれ。笑
それだけ?
たまに玖馬は意味のわからないことをする。
たぶん本人的には
意図とかがあるんだろうけど。
まぁいいや。
とりあえず洗濯物をたたもう。
そう思って私はまたリビングに戻った。