極上御曹司の愛妻に永久指名されました
風間はまだ何か言いたそうにしていたが、私の肩に手を置いた。
「荷物は僕が持つよ」
長谷川が地面に転がっているバッグや紙袋を手に持つ。
三人で家に向かおうとするが、私の足は止まった。
「真野?どうした?」
風間も立ち止まって私を見る。
どうしよう?
身体が緊張してきた。
心臓がバクバクしているし、額に汗が滲む。
マズイ。
さっきの感覚と同じだ。
また倒れるかもしれない。
「……家に帰るのが怖い。足が動かない」
ギュッと風間のスーツを掴んで、彼に訴える。
「わかった」
彼はそう言って私を抱き上げると、近くに停めてあった社用車に私を運び、自分も乗り込んだ。
多分、普段の私なら風間にお姫様抱っこされることに激しく抵抗していたと思う。
でも、精神的にかなり弱っていて、文句を言う気力もなかった。
長谷川も車に乗ると、風間は前に座っている運転手に行き先を伝えた。
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