極上御曹司の愛妻に永久指名されました
「ほら、降りるぞ。尊、明日、明後日、よろしく頼む」
風間は私の肩をポンと叩き、長谷川に向かって軽く手をあげる。
「ああ。紫ちゃんも、ぐっすり寝て」
長谷川は風間に目を向けると、次に私に微笑んだ。
「ありがと。おやすみ」
長谷川に挨拶して、風間と共に車を降りる。
私の荷物は風間が持ってくれた。
マンションのエントラスを入ると、コンシェルジュがにこやかに挨拶する。
「お帰りなさいませ、風間さま」
「ああ。ご苦労さま」
風間も小さく笑って挨拶を返し、私を伴って奥にあるエレベーターに乗り込む。
最上階で降りれば、目の前に観音開きの大きなドアがあった。
風間は慣れた様子で鍵を開け、中に入る。
「どうぞ」
彼に促され、「お邪魔します」と言って、玄関を上がった。
天井が高くて開放的。
玄関は置き物も何もなく、シンプルでスッキリしている。
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