極上御曹司の愛妻に永久指名されました
でも……風間はずっと親の跡を継ぐって決めていて、その決意は揺らぐことはない。
「社長も風間がいると安心なんじゃないかな。早く体調良くなるといいね」
ニコッと微笑むと、彼は小さく頷いた。
「ここだけの話、親父は去年の年末に胃がんの手術を受けたんだ。まだ初期だったし、今のところ体力も戻ってきているが、俺が親父の負担を軽くしてやれればって思ってる」
知らなかった。
社長……がんだったんだ。
「……そうだったんだ」
彼の大変さを感じながら相槌を打つ。
「このマンション買ったのも、すぐ近くに親父が通院している病院があるからなんだ。何かあった時、すぐに行ける」
ただステイタスのためと思ったら、家族のことも考えてたんだ。
「最初風間に会った時は、値踏みするように私を見てて、高慢で嫌な奴って思ってた。それに、私を勝手に異動させちゃうし、婚約者って嘘言っちゃうし……。すっごくムカついた。今も怒ってる」
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