極上御曹司の愛妻に永久指名されました
「もっと早く起こしてよ!そんな短い時間で準備出来ない」
文句を言いながら慌ててベッドを抜け出せば、ズボンの裾を踏んで躓いた。
「ぎゃっ!」
そのまま転びそうな私の身体を風間がすかさず受け止める。
「俺が着替えを手伝おうか?」
ニヤニヤ顔で言う彼。
「結構です!」
ドンと風間の胸を押して全力で突っぱねて、バスルームに逃げ込んだ。
「朝からあいつは……もう!」
毒づきながら顔を洗って、ササッと歯磨きをし、化粧を済ませる。
ゲストルームに戻ると、もうそこに風間はいなかった。
そのことに少しホッとする。
あいつがいると、平静でいられない。
昨日は黒沢さんのこともあって寝れないかと思ったけど、気づいたら朝だった。
夢も見ずにぐっすり。
ある意味、風間に振り回されてるお陰かも。
あいつといると余計なことを考える時間もない。
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