極上御曹司の愛妻に永久指名されました
そんな私を風間は実に楽しげに眺めていて悔しかった。
私がどう反応するかわかってやっているのだ。
それから新幹線を降りて改札を出ると、風間の関連会社の迎えが来ていた。
午前中は風間プロパティーズの役員と打合せをし、お昼は東山の老舗料亭で豆腐懐石を堪能。
長谷川に言われた通り、私は風間の横でニコニコしているだけだった。
大きな荷物は関連会社の人がホテルに届けてくれるということで、風間と一緒に料亭から歩いて次の目的地へ。
「ねえ、次はどこに行くの?徒歩ってことは近いんだよね?」
今回の出張、詳細は何も知らされていない。
「ある人の別荘。あと五分くらいで着く。桜並木が綺麗だな」
私の質問に答えると、風間は桜の木に目を留めた。
確かに、薄ピンクの桜に癒される。
ひらひらと花びらが舞って幻想的な世界。
しかも、美形の風間とマッチしているんだよね。
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