極上御曹司の愛妻に永久指名されました
風間に聞けば、彼はフッと微笑する。
「ここは親父の定宿」
タクシーを降りて、受付で風間が記帳を済ませると、部屋に案内された。
「こちらです」と宿の人に案内されたのはひと部屋。
いやーな予感がした。
もしかして部屋、風間と一緒なの?
中に入ると、十二畳くらいの和室に布団が二組敷かれている。
それを見てぎょっとした。
自分が風間に服を脱がされて抱かれる姿がパッと頭に浮かんで……。
「ここで……私も寝るの?」
心臓が急にバクバクしてきた。
「見ればわかるだろ?」
風間は平然とした顔で言うが、動揺せずにはいられない。
こいつに襲われたらどうしよう〜。
昨日の濃厚なキスが頭を過る。
「そ、そんなダメだよ。宿の人にもうひと部屋ないか聞いてくる」
受付に行こうとしたら、彼に止められた。
「無駄だ。この繁忙期に他の部屋は空いてない」
その言葉にガーンとショックを受けた。
「な、な、何もしないよね?」
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