極上御曹司の愛妻に永久指名されました
9、彼がいるから大丈夫
「いつまでそこに突っ立ってる?奥に内風呂があるから入ってくれば?」
風間は前にも泊まったことがあるのか、部屋の奥にある扉を顎で示した。
「あ……うん」と返事をしつつも、やはり部屋が他にないのか気になってしまう。
お風呂の前に電話で確認しよう。
床の間の近くにある電話でフロントにかけ、「あの、部屋の空きって今日はないですか?」と確認する。
《申し訳ございません。今日は予約でいっぱいでして》
宿の人の回答にがっくり肩を落とした。
「……わかりました」
本当に部屋ないんだ。
風間と一緒の部屋……か。
昨日も彼と一緒だったけど、部屋は別々だった。
同じ部屋だと逃げ場がない。
落ち込む私を風間は呆れ顔で見る。
「だから、言っただろ?いい加減諦めて、早く風呂に入ってこい」
「……覗かないよね?」
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