極上御曹司の愛妻に永久指名されました
別に深い意味もないのだろうけど、彼のような美形に言われると落ち着かない。
それにじっと見ないでほしい。
「褒めても何も出ないわよ」
照れ隠しにそんな言葉を口にしたら、彼はフッと笑った。
「別に見返りが欲しいわけじゃない。思ったことを口にしただけだ。真野は先に寝てていい。明日は六時半起床だ」
「了解」
私がおどけてピッと敬礼すると、彼はパソコンを片付けて浴室に行く。
「風間がお風呂に入っているうちに……」
布団を一組入り口の方に異動させた。
「これで何かあってもすぐに逃げられる」
やはり、風間のすぐ隣で寝るのは抵抗がある。
卒業旅行前に比べて印象はよくなったけど、彼を全面的に信頼した訳でもないし、恋人でもないのに一緒に寝るのは無理がある。
スマホのアラームをセットし、電気を補助灯だけにして部屋を暗くすると、布団に入った。
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