極上御曹司の愛妻に永久指名されました
ギュッと布団を掴めば、近くで彼の気配がして頭を撫でられた。
「おやすみ。何も考えずに眠れ」
そのこの上なく優しい声音に胸がキュンとなる。
しばらくすると、彼は私から離れていった。
たぬき寝入りしてるのバレてたかな?
でも、からかってはこなかった。
あんな優しい声で『おやすみ』なんて……一体どんな顔して言ったんだろう。
風間ってよくわからない。
私で遊んでいるように見えて、いざって時には助けてくれたり……。
彼は謎……だ。
今日は神社や公園を歩いて疲れていたのか、次第に眠くなって……。
優しい闇が私を包み込んだ。



『やあ、紫ちゃん、久しぶりだね。ずっと会えなかったから心配したんだよ』
黒沢さんが私の両手を掴んでベッドに組み敷く。
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