極上御曹司の愛妻に永久指名されました
「紫、京都に出張だったんでしょう?そちらの方は?」
母の質問に答えようとしたら、風間が両親の元まで行き、私の手を離して紳士スマイルで挨拶する。
「はじめまして。紫さんとお付き合いさせて頂いている風間恭一と言います」
風間の言葉に驚き、目を丸くする私。
ちょっ……風間、私の両親にまで大嘘つかないでよ〜!
彼のスーツの袖を掴み、顔を青くして目で猛抗議する。
だが、風間は私の目を見てどこか企み顔で微笑むだけ。
「風間って……ひょっとして今、紫が働いている会社の?」
母がビックリした様子で風間をまじまじと見た。
「ええ。僕は風間コーポレーションの副社長をしています」
スーツの内ポケットから名刺入れを取り出し、名刺を母に渡す風間。
「紫とお付き合いしているのは本当なんですか?」
風間の名刺を凝視している母に代わって今度はキツネにつままれたような顔をしている父が風間に質問した。
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