極上御曹司の愛妻に永久指名されました
ホテルは数日くらいなら泊まれる。
でも、黒沢さんの方は自分だけではもう対処できない。
少し考えればわかることなのに、私……冷静な判断ができなくなってる。
風間から視線を逸らしてじっと自分の手を見つめていたら、彼が私の肩にポンと手を置いた。
「真野、俺は迷惑だなんて思っていない。部屋は余ってるし、自分の家だと思って過ごしてくれればいい。それに、お前がうちにいてくれた方が俺の方も都合がいいんだ」
「都合がいい?」
「俺の両親にお前が本当の恋人だってアピールになる」
少し楽しげにフッと微笑する彼をじっと見据えて抗議する。
「嘘をつくと胸が痛いんだけど……」
いずれ時が来たら恋人の振りをしただけだって言わなければならない。
「だったら本当にするか?」
風間の顔が目の前に迫って来てドキッとした。
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