極上御曹司の愛妻に永久指名されました

黒沢さんと違って風間はいやらしい目で私を見ないし、隣で寝ても私を襲うことはなかったけど、風間は私にキスをする。
厄介なのは、私が彼のキスを嫌だと思わないことだ。
それに、風間といるとドキドキが止まらない。
彼に見つめられると、平静ではいられないのだ。
多分、今まで私の近くにあんなハイスペックな人間がいなかったからだわ。
あんな美形で有能な御曹司が近くにいたら、誰だってドキドキするに決まってる。
強引にそう結論づけ、シャワーを浴びて、家から持ってきたパジャマに着替えた。
「……そう言えば、洗濯物。スーツはクリーニングに出すとして、下着やブラウスなんかは洗濯したい」
洗濯物をビニール袋に入れ、部屋を出てこの家の家主を探せば、彼はリビングで誰かとスマホで話していた。
音を立てないようにリビングのドアを開けて中に入ると、彼と目が合った。